les signes parmi nous

堀 潤之(Junji HORI) 映画研究・表象文化論

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ランシエール『イメージの運命』の原文

翻訳書を読んでいると、時々原文を確認したくなる場合がある。原書を持っていたり、すぐに入手できるならば何の問題もないが、『イメージの運命』の原書(Le Destin des images, La Fabrique, 2003)はどうやら全国の大学図書館のうち15館にしか所蔵されて…

V 表象不可能なものがあるのかどうか

この章に関しては、特に図版は必要ないだろう。

IV デザインの表面

●コロマン・モーザー《踊り子》、1910年頃(129-130頁) 詩人マラルメと技師ベーレンスのあいだにある隔たりのうちの近さ、あるいは近さのうちの隔たりを考える際、ある中間的な形象、舞踏詩と広告のイメージの境界線上に位置するある形象が助けになるかもし…

III テクストの中の絵画

●ジャン=バティスト・グルーズ《セプティミウス・セウェルスとカラカラ》、1769年(99頁) だからこそ、ディドロは、グルーズがセプティミウス・セウェルスの肌の色を薄黒くして、カラカラを札付きの悪党として描いたことに対して、逆説的な非難をすること…

II 文章、イメージ、歴史

本章の理解にあたっては、ゴダールの『映画史』4Bの該当箇所を見ておいた方がよいのだが、さすがにウェブ上にはあがっていないようだ。 ●『マルクス捕物帖』A Night in Casablanca (1946)の冒頭のギャグ(65頁) このシーンのランシエールによる記述は、い…

『イメージの運命』参考図版(2)

I イメージの運命

●ロベール・ブレッソン『バルタザールどこへ行く』(1966年)の冒頭(11-13頁) クレジット・タイトルとそれに続く三つのショットのうちに、私たちはあるイメージ性の体制——すなわち、諸々の要素と機能のあいだの関係の体制——全体を手にしています。それはま…

『イメージの運命』参考図版(1)

前のエントリーで予告したとおり、ランシエールの『イメージの運命』を読むに際して役に立ちそうな図版(あくまで選択的なものに過ぎないが)を載せておく。

ジャック・ランシエールの『イメージの運命』

ジャック・ランシエールの『イメージの運命』(Jacques Rancière, Le Destin des images, La Fabrique, 2003)が、3月18日配本予定で平凡社から出版されることになった。イメージの運命作者: ジャックランシエール,Jacques Ranci`ere,堀潤之出版社/メーカー: …

ゴダールの新しい評伝

ジャン=リュック・ゴダールは、2010年12月3日に80歳を迎える。節目の年ということで、いくつかの企画が進行しているようだ。 まず、トリュフォーの評伝でも知られるアントワーヌ・ド・ベックによる、800頁以上に及ぶゴダールの評伝が、3月10日にグラッセか…