les signes parmi nous

堀 潤之(Junji HORI) 映画研究・表象文化論

『表象』というメディウム、ほか

今日、ウェブ上に公開された表象文化論学会のニューズレター『REPRE』27に、「『表象』というメディウム」と題した小文を寄せた。『表象09』『表象10』の2号にわたって編集委員長を務めた体験を振り返りつつ、学会誌のあり方についての雑感を綴ったものである。

表象10:爆発の表象

表象10:爆発の表象

表象〈09〉:音と聴取のアルケオロジー

表象〈09〉:音と聴取のアルケオロジー

ちなみに、『表象10』は過去最大のボリュームで、「ネゴシエーションとしてのアート」特集号の『表象05』と同じ336頁。残念ながら、この号は『表象08』とともに版元品切れとなっている。上述の雑感では記さなかったが、品切れ・重版未定の号を今後どうするのか、投稿論文のヴィジビリティをどうさらに上げていくか、といったことも『表象』の今後の課題だろう。

新刊紹介のコーナーにも、昨年末に刊行したアンドレ・バザンオーソン・ウェルズ』の短い紹介文を書いた。

映画・映像関連書としては、他にも記念碑的な刊行物である『「記録映画」復刻版』(阪本裕文・佐藤洋解説、不二出版、2015年12月)、スピルバーグ入門にふさわしい豪華本のリチャード・シッケル『スピルバーグ その世界と人生』(大久保清朗・南波克行訳、西村書店、2015年12月)、ドイツ語圏で評判の高かったベルント・シュティーグラー『写真の映像』(竹峰義和・柳橋大輔訳、月曜社、2015年12月)が紹介されている。シュティーグラーの写真論のフランス語訳版には、ジョルジュ・ディディ=ユベルマンが序文を寄せており、その内容も気になるところだ。

オーソン・ウェルズ

オーソン・ウェルズ