les signes parmi nous

堀 潤之(Junji HORI) 映画研究・表象文化論

最近執筆した書評

今日、公開された表象文化論学会のニューズレター『REPRE』の第24号に三浦哲哉氏の『映画とは何か フランス映画思想史』の短評を寄せた。

なお、本号では小特集「人文系出版の現在」が組まれており、特に3名の独立系編集者による座談会がとても面白い。同じく面白い読み物の「各国の出版事情」ではフランス語圏が取り上げられていないが、どなたか適任者によるレポートを読みたかったという気もする。

映画・芸術分野に話を限れば、たとえばSeuilとかMinuitとかFayardとかの著名な版元よりも、Presses Universitaires de Rennesの叢書や、『カイエ・デュ・シネマ』の発行元のCahiers du cinémaや、セルジュ・ダネーやレイモン・ベルールが1992年に創刊した映画雑誌Traficの版元で、より一般的には小説の出版で知られるP.O.L.や、教科書的な書籍を多く出しているArmand Colin、さらにはベルギーのYellow NowローザンヌL'Âge d'Hommeディジョンles presses du réelといった地方の出版社などに個人的にはよく注目している。

なお、このブログで報告する機会を逸したが、少し前に、ランシエール『平等の方法』(航思社、2014年)、およびエリック・ロメールクロード・シャブロルヒッチコック』(インスクリプト、2015年)についても書評を書いたので、まとめて書誌情報を挙げておく。

また、これもやや旧聞に属する話になるが、一昨年刊行した訳書『ニューメディアの言語』(このエントリーを参照)の渡邊大輔氏による書評が日本映像学会の学会誌『映像学』93号に、昨年刊行した編著書『越境の映画史』(このエントリーを参照)の門間貴志氏による書評が、日本映画学会の会報40号(PDF)(2014年9月17日、7-9頁)に、それぞれ掲載された。『越境の映画史』については、まもなく発行される『映像学』94号に応雄氏による書評が掲載されることにもなっている。書評をお書きくださった先生方にはこの場を借りて厚く御礼申し上げたい。

映画とは何か: フランス映画思想史 (筑摩選書)

映画とは何か: フランス映画思想史 (筑摩選書)

平等の方法

平等の方法

ヒッチコック

ヒッチコック