les signes parmi nous

堀 潤之(Junji HORI) 映画研究・表象文化論

『たのしい知識』のDVD単品発売

明日(4月26日)、IVCから発売されるジャン=リュック・ゴダール『たのしい知識』のDVDの封入リーフレットに、「『たのしい知識』――ゴダールの挿絵入り辞典」という短いエッセイを寄せた。

このディスクは、昨年5月にリリースされたジャン=リュック・ゴダール+ジガ・ヴェルトフ集団 DVD BOXで日本初DVD化されたものが、単品発売となったもの(ただしBlu-ray版は、Blu-ray BOXのかたちでしか入手できない)。封入リーフレットは装いを新たにして、わたしのエッセイのほかにも、平倉圭氏によるエッセイ「映画を見ながら眠ることが問題なのでは決してない」が収められている。

たのしい知識(HDマスター) [DVD]

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『たのしい知識』は、おおむね、ジャン=ピエール・レオとジュリエット・ベルトが何もないスタジオで会話を交わすシーンと、膨大な量の画像が提示され、吟味されるシークェンスに大別できる。わたしのエッセイは、主として後者に焦点を当て、多種多様な画像にゴダールが手書きで文字を書き加える操作を、ゴダール流の挿絵入り辞典として読み解くという主旨だ。それに対して、平倉氏のエッセイは、むしろ前者のスタジオで展開される場面が持つ意味に注目しており、期せずして相補的な2つのエッセイになっているのではないかと思う。