les signes parmi nous

堀 潤之(Junji HORI) 映画研究・表象文化論

インターネット上のゴダール

ジャン=リュック・ゴダールの新作『Film Socialisme』は、フランスでは5月19日に封切られ、その前日にカンヌ映画祭の「ある視点」部門で上映されるが、なんとインターネット上ではそれに先だって17日からfilmotvのVOD(ヴィデオ・オン・デマンド)で視聴することができるようだ(公式サイトや、この記事などを参照)。

このVODサイトは配給元のWildbunchが後ろ盾となっており、youtube上で何種類もの予告編を流すことも含めて、ネット時代における戦略的なプロモーションを積極的に展開しようとしているパブリシストがいるのだろう。ちょうど50年前の早春、ゴダールの長編第一作『勝手にしやがれ』が、トルマチョフを演じてもいるリシャール・バルドゥッチの巧みな報道戦略によってセンセーショナルな成功を収めたことを思い起こさせる。

なお、映画の台詞を採録した本も近々P.O.Lから出版されることになっている。